不況をビジネスのピンチととらえるより、チャンスととらえる方が、実際に成功する可能性は広がるだろう。本書にはそうした、常に自らの可能性を広げるような思考の枠組みが提案されている。テーマは人生、組織、人間関係、経営、結婚生活、交渉など幅広い。 最初に提案されている思考は「世の中全部作りもの」というもの。著者は「わたしたちが見ているのは『世界地図』であって、世界そのものではない」、「わたしたちが直面しているように感じる人生の問題、ジレンマ、窮地は、すべてある枠組みや視点で見ているから解決できないように思うだけだ」などと論じる。そして、だからこそ自分のいいように世界を解釈する枠組みを作ればいいと説く。この考え方をベースにして、「みんなに『A』をつける」「競争ではなく貢献を」「ありのままを受け入れる」「相手を引き込む」「『わたしたち』の視点で見る」など全部で12の思考が提案されている。 本書の魅力は、この12の思考を裏づける多彩なエピソードにある。たとえば、はじめからAの評価を与えて学生の自信やエネルギーを引き出す話、利己心を解きほぐすユーモアで決裂寸前の交渉を合意に導く話、妻の浮気を自分にしか取り除けない問題という枠組みでとらえる男の話…。いずれも大胆な思考の転換が印象的で、この問題解決のプロセスから学ぶことは多い。 また、人間心理への深い洞察や可能性を鼓舞する詩的な表現なども本書に厚みを与えている。人間関係力を磨くには格好の1冊であり、とくに「競争社会」のストレスを感じている人にはおすすめしたい。(棚上 勉)
コーチのみなさんにもお勧め!
カウンセラー、家族療法士であるロズと、ボストン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者であるベンの、ザンダー夫妻による共著。
原著のタイトルは、The Art of Possibility。日本語タイトルでは、この本の素晴しさを十分には伝えられないかもしれない。
ロズとベンの様々な経験を元に、どのようにして私たちの可能性(Possibility)を開くことができるか、アイデアを与えてくれる。
私たちがいかに日頃、既成概念という枠に囚われて物事を判断しているかを気付かせてくれ、ビジネスや人生において、可能性を開く考え方を見せてくれる。
実は、2006年7月30日に著者の一人であるベンジャミン・ザンダー氏の講演が東京で開かれた。ベンは一切の休憩も取らずに、実際にこの本の内容を3時間半にわたって実演して見せてくれ、ネイティブコーチとしての実力を、その講演の聴衆である1300人ものコーチもしくはコーチ志望者の前で示した。
人生に向かう視点を「わたし」から「わたしたち」に変えて、あらゆる人に可能性を開く考え方を与えてくれる好著である。
この本を読んだあなたにもチャンスが
私にとってはビジネスノウハウ書というより心理学に近い、 極めて興味深い内容のものでした。さらには音楽という形のないものを 通しての自己表現法や、才能の発掘方法、家庭生活における親子、 夫婦の関係改善のための方法などさすが家庭療法士と音楽家という 組み合わせで書かれた新しい思考のためのノウハウ本だと思いました。「ある男がピカソに出会い、なぜ本物と同じように人物を描かないのかと たずねた。ピカソは「それはどういう意味か」と聞き返した。男は 財布を開け、妻の写真を取り出して「妻です」と言うと、ピカソは 「ずいぶんと小さくて平らですね」 世の中全部作りもの、という発想を表すエピソードである。 ビジネスマン、カウンセラー、教師…いろんな立場の方にもぜひ 読んでおいてほしい本です。
感性に訴える1冊。
同じ物事でもどのように捉えるかはまさに人それぞれ、そして様々である。 この本の中で紹介されている数々のエピソードや逸話はどれも温かいもの ばかりだった。著者の人柄によるところなのかもしれないが、それぞれの 話そのものから読み手もまた様々な可能性を発見することになる。 好きな話は『臨終の父が残した最後のことば』 「ウチの畑に膨大な財産が隠されている...」その言葉を信じて 4人の息子は葬儀の翌日から畑のあちこちを掘り起こしては探しまわる ことになる。しかし、くまなく熱心に堀り続けたもののついに何ひとつ 発見することは出来なかった。がっかりして畑を去る4人の息子。 果たして父の残した言葉はウソだったのだろうか...。
日経BP社
組織が活きるチームビルディング―成果が上がる、業績が上がる 子どもを伸ばす コーチング・ピアノレッスン Vol.1 コーチングスキル編 青木理恵 心のなかの幸福のバケツ QT 質問思考の技術 変革を定着させる行動原理のマネジメント―人と組織の慣性をいかに打破するか
|