まことしやかに伝えられてきたメアリのボスウェルへの恋って?
メアリ・スチュアートを今までの、ボスウェルへの恋に狂って夫のダーンリー卿を殺害させた悪女ではなく、 人が良くて政治に弱い女性としていて面白く読めました。 どうもこの本を読んでも、テア・ライトナーの「陰の男たち」を読んでも、 メアリがボスウェルに恋していたらしい様子は見られませんね・・・メアリは優雅な男性が好きだった感じがします。メアリは悪女というより、 スコットランド貴族達の壮絶な謀略の被害者といった感じがします。 やはり政治力ではエリザベスが圧倒的に勝っていたのでしょうね。 それにしても、スコットランド貴族達の不誠実さには驚かされます。 息子のジェームズ一世も冷たいし。しかし、彼は父の殺害を指示したのが母のメアリだと信じていたのでしょうか? やはりそう信じていたのかな。 どちらにせよ彼にとっては母親よりもエリザベスの不興を買わない事の方が大事だったのかもしれません。 後で気がつきましたが桐生操って「イギリス怖くて不思議なお話」の時は、 メアリを今までの定説どおり恋に狂ってダーンリーを殺害させた悪女として 書いていたんですね・・・
読み比べてみて!
メアリ・スチュアートの伝記としてはツヴァイクのものを読んだことがありますが、著者自身あとがきの中で述べているように、ツヴァイクとは違った視点から描いているので、読み比べるとおもしろいです。特にメアリとボスウェルの関係について全く異なった解釈をすることによって、身も心も恋に捧げ尽くした女というツヴァイクのメアリ像とは違った彼女の姿が浮かんできます。 若くして栄光の地位に昇り、女王としての誇りは人一倍強くても政治的な才能や忠実な家臣には恵まれなかったメアリ。当時のスコットランド貴族の陰謀や裏切りはすさまじく、外国育ちで、しかも異なった宗教を持つ若い女王は孤独で無力だったに違いありません。 最後はライバル、エリザベス女王の手で断頭台に送られた彼女ですが、そのロマンチックで劇的な生涯は、今なお私たちを魅了してやみません。
もう少し思慮深くあったなら・・・・
挿絵で見る彼女は、現代の我々からも魅力的な女性に写るはずです。 その聡明な顔立ちは、彼女の内面までもを映し出さなかったのでしょうか?・・・。フランス王妃としての短い幸せ、軽率な再婚、宿敵と言われたエリザベス女王との確執、実の息子との骨肉の争いなど。 彼女がもっと思慮深く聡明であったならば、彼女の人生もまた違うものになっていただろうと思いました。メアリ・スチュアートに関する数少ない書籍のなかでも、一番メアリを身近に感じられた一冊でした。
新書館
国王を虜にした女たち―フランス宮廷大奥史 (講談社+α文庫) 血まみれの中世王妃―イザボー・ド・バヴィエール (桐生操文庫) ハプスブルク家の悲劇 (ワニ文庫) マリー・アントワネットと悲運の王子 (講談社プラスアルファ文庫) フランスを支配した美女―公妃ディアヌ・ド・ポワチエ (桐生操文庫)
|